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第165話 シェリアン様と黒の魔女

Author: Tubling
last update publish date: 2026-10-31 17:10:29

 すぐに扉を閉じて鍵をかける。

 「あ、あなたたち……どうして…………っ」

 「シェリアン様!」

 私は無事を確認したくて駆け寄った。

 そして体のすみずみまでチェックし、どこも傷などがないことを確認すると、大きな息を吐く。

 「良かったです…………ご無事で安心しました」

 「クリスティーナ……!」

 シェリアン様は感極まり、涙を流して私に抱き着いた。

 お可哀想なシェリアン様……あのような場所で自身が人質として攫われるなんて夢にも思っていなかったはず。

 私の首に回した腕が、小刻みに震えている。

 どれほど怖かっただろう。

 でも王女としての矜持を持ち、お心を奮い立たせていたに違いない。

 私は宥めるように背中を摩り、彼女の気持ちが落ち着くのを待った。

 やがて震えは止まり、ゆっくりと顔をあげたシェリアン様の表情は少し安堵の色が窺える。

 「シェリアン様、よくぞ耐えてくださいました」

 「……っ、当然よ。あいつらの前で弱音なんて吐くものですか。私はツェットリーニ王国の王女なのだから」

 「あなたは強いお方ですね。ご無事なお顔を見られて安心しましたよ」

 「カルロ王子……あなた、
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     すぐに扉を閉じて鍵をかける。 「あ、あなたたち……どうして…………っ」 「シェリアン様!」 私は無事を確認したくて駆け寄った。 そして体のすみずみまでチェックし、どこも傷などがないことを確認すると、大きな息を吐く。 「良かったです…………ご無事で安心しました」 「クリスティーナ……!」 シェリアン様は感極まり、涙を流して私に抱き着いた。 お可哀想なシェリアン様……あのような場所で自身が人質として攫われるなんて夢にも思っていなかったはず。 私の首に回した腕が、小刻みに震えている。 どれほど怖かっただろう。 でも王女としての矜持を持ち、お心を奮い立たせていたに違いない。 私は宥めるように背中を摩り、彼女の気持ちが落ち着くのを待った。  やがて震えは止まり、ゆっくりと顔をあげたシェリアン様の表情は少し安堵の色が窺える。 「シェリアン様、よくぞ耐えてくださいました」 「……っ、当然よ。あいつらの前で弱音なんて吐くものですか。私はツェットリーニ王国の王女なのだから」 「あなたは強いお方ですね。ご無事なお顔を見られて安心しましたよ」 「カルロ王子……あなた、本当にこの国をひっくり返す気?」 シェリアン様の問いにカルロ様は真剣な面持ちで即答する。 「もちろんです。この世界のために為すべきことは何か、もう分かっています」 「そう……良い顔をしていますわ。応援しますわよ」 「感謝します……っ」 私とダンは顔を見合わせる。 カルロ様はシェリアン様のお言葉に顔を赤くし、少し俯いた。 お二人の会話が良い感じだわ……もしかしたらこの先、ツェットリーニ王国とカラドゥス王国の関係は良好になっていくかもしれない。 そんな未来が見えた気がして、思わず嬉しくなる。 「ラディ、ドミニク様に知らせてほしいの。シェリアン様は無傷でご無事ですって」 『お任せください!』 「気を付けてね」 『すぐに戻ります』 この部屋は地下で窓がないため、扉を少し開くとラディが飛び立っていった。 彼は小さいし、見つかることもないでしょう。 私たちもシェリアン様に要件を伝えたらここを出なければ。 「シェリアン様、これからドミニク様と帝国軍がこのカラドゥス王国の王城に向かってきます。恐らく1、2日中には到着されるはず」 「ええ」 「彼らが外からカラドゥス王

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